数学科 オリジナル教材

数学科 オリジナル教材「中学1年 計算トレーニング」


数学科では、オリジナル教材「中学1年 計算トレーニング」を作成し、今年度より教材の活用をはじめた。

中心となって作成にかかわり、現在、授業でも教材を活用しているS先生に話を聞いてみた。

 


ーーどうしてオリジナル教材を作ろうと思ったのですか?

「きっかけとしては、数学科の中で、計算力も大事だという声が出たということがあります。

また、低学年のうちに毎日こつこつ勉強する習慣を身につけて、継続力を養ってほしいという願いもありました。」

 


ーー市販の教材と違う点はありますか?

「栄光の授業カリキュラムや進度にそった構成になっている点です。授業にあわせて、順番に解きすすめてもらえるという長所があります。

あと、栄光でしかもらえない教材ということで、モチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。作った側としても、愛着がわきます。」

 


ーー教材の作成にはどのくらいかかりましたか?

「他の先生とも分担しながら、1年ほどかけて作りました。」

 


ーー作成にあたって大変だったことはありますか?

「全部ですよ!!(笑)一番大変だったことは、作った問題をすべて解き、すべての答えをチェックしたことですかね。

オリジナル教材ならではの仕事です。おかげで自分も計算力があがりました。(笑)」

 


ーー自分の手ですべて解く。言われてみると、たしかに答えがないわけですものね。現場ではどのように活用していますか?

「中学1年生に、自宅学習用として配布しています。1日10分、3問から5問、自宅で解いてもらっています。

定期的に提出を促し、こちらでチェックしています。」

 


ーー提出期限ぎりぎりにまとめてやる。こんな生徒を昔どこかで見たような気もするのですが…

「提出物を見ると、日ごろからこつこつやっているものと、そうでないものとの違いがわかりますよ。

実際のところ、オリジナル計算教材を活用してみて、高い効果を感じています。

とにかく、習慣として、日ごろから学習にとりくむ生徒が増えたと感じています。」

 


ーー提出物としてチェックまで行うことで、いろいろと細やかな気づきがあるんですね。

「副次的な効果もあると思います。以前に比べ、途中式などをぐちゃぐちゃに書く生徒が減ってきていると感じます。

きちんとした計算式を示すことができる生徒が増えたというか。

授業内ではケアしきれない、途中式の書き方といったような点も、提出物への添削やコメントで対応できています。」

 


ーーなるほど。授業で扱いきれない所ですか。プリントではなく、あえて本に仕立て上げることの良さはありますか。

「本として手渡した時点で、ゴールまで見えているということではないでしょうか。プリントとして渡し続けるスタイルだと、最終地点が見えづらい。

オリジナル計算トレーニングは52週分、長期休みも含めてやることが明確に見えています。」

 


ーー長期休みも!抜け目がないですね。(笑)

たしかに本として手渡してもらえると、全体を見通せるわくわく感や、ふりかえって、積み上げたものが目に見える充実感がありますよね。

「あとはやっぱり、愛着ということでしょうか。時間をかけて1から作ってきたものが物となり、それを活用できるというのは、うれしいことです。」

 


ーーオリジナル教材について、今後の予定などがあれば教えてください。

「この教材、売れますよ!!(笑)「計算トレーニング」は、中1中2を対象として、引き続き運用していきたいと思っています。

この教材については、数学科全体で使っていくことを決めたものですが、通常授業について言うと、少し事情が異なります。

栄光では教員それぞれ、個性を発揮して授業を展開しており、授業で使うプリントやノート、教材といったものはもともと、生徒の様子や学習状況に応じてオリジナルで作られています。それぞれの教員の裁量にゆだねられた所が多い点も、栄光の魅力だと思っています。」

 


ーーなるほど。たしかに、個性的な授業を教員それぞれが展開する、これも栄光の特徴ですものね。

ご協力、ありがとうございました。

 

 

(取材をおえて)
 時間をかけて作ったものを、形ある物にして使っていくこと。作った人も、活用する人も、オリジナルの教材であるからこそ、芽生えてくる愛着がある。

使っている教材にまで愛着をもって学ぶことができるなんて、少しうらやましくなった。

ふりかえってみると、学生の頃に時間をかけてきれいにまとめ直したノートや、手の込んだ教員お手製プリントというもの、こうしたものは、存在感が強い。

覚えようとしていなかったけれど、鮮明に思い出すことができる。ノートの手触りや色、使い込んだあとの感じ、プリントを丁寧にファイルしたときのこと。

学習した内容は忘れてしまったにもかかわらず、こうしたものは今でも不思議と思い出すことがある。
 どんな道であっても、物に愛着をもって、物と友達になって、上達していってもらいたいと改めて感じた。